「ネタ切れに困らない」1つのテーマで何度もメディア発信ができる、軸を持った使いまわし術
こんにちは、チャコウェブの横山ゆみこです。
ここ最近のニュースレターでは、ゼロクリック時代に向けて3回にわたり以下のテーマを取り上げてきました。
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指名検索で公式サイトの土台を整える
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FAQを厚めにして、検索画面の中だけでも伝わるようにする
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ニュースレターなどの自前チャネルで、自分から会いに行けるようにする
今回は、その仕上げ回です。
ホームページもSNSもブログもがんばっているけれど、それぞれがバラバラに動いてしまっているケースをよく耳にします。
SNSはSNSで投稿を作り、ブログはブログで一からネタを練って作文する。
つまり、それぞれ独立してコンテンツを作っているのでかなりの労力になってしまっているのです。
その結果、担当者だけが疲れてしまい、肝心の成果にもなかなかつながらないとモチベーションが下がってしまうのですね。
今回は、ひとつのネタを何度も使いまわしながら、さまざまな情報発信にリレーをする設計について考えていきます。
人も時間も余裕がない中小企業の私たちは、小さな力で効果を高める工夫が欠かせません。
今回は負担を軽くするアイデアなので、ぜひ活用してみてくださいね。
目次
🌪なぜ中小企業は単発コンテンツで消耗してしまうのか
🧵コンテンツは一粒で何度使っても良い
🚦コンテンツリレーで、ネタを育てる
📅1テーマで回すコンテンツカレンダー設計
💫発信するメディアに合わせて1つのテーマを変化させる
🤖生成AIには「増やす」より「まとめる」を手伝ってもらう
📝具体なコンテンツの展開例
🔁月1回の振り返りで、じわじわ強くなる発信体制にする
📌まとめ
🌪なぜ中小企業は単発コンテンツで消耗してしまうのか
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ホームページ用に1本記事を書く
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SNS用に1本投稿を作る
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メルマガ用に1通原稿を用意する
それぞれを、毎回ゼロから考えていませんか?
私も昔そうでしたが、このやり方は大変ですよね。
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ネタ出しの回数が単純に3倍になる
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言いたいことは同じなのに、媒体ごとにバラバラに書いてしまう
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どのコンテンツが効いているのか、全体像がつかみにくい
このような事態に陥ってしまい、手間と時間が取られる割に効果を感じにくい状況でした。
「ゼロクリック」の時代では、さらに効果が見えづらくなっており不安も募ります。
せっかく発信した情報も、SNSのような「フロー型」メディアはすぐに流れていくため、頑張って作ってもすぐに次を求めて投稿作成に取り掛からなければなりません。
まさに消耗の悪循環にハマっていました。
少し落ち着いて考えると、内容そのものはとても良いのに出して終わりになっているコンテンツが多いことに気が付きます。
「ちょっともったいないな」
そう思ったのが使いまわしリレー発信のきっかけです。
🧵コンテンツは一粒で何度使っても良い
「コンテンツは、一度出したら終わりの消耗品ではなく、かたちを変えながら、何度使っても良い資産」
今回のレターで覚えていただきたいのは、これに尽きます。
この考え方のスイッチが入ると、自社が発信できる情報がどんどん価値あるものに見えてくることに気付くかもしれません。
実際、使い捨てにするのではなく、何度も磨き直し形を変えながら伝えることができるのです。
同じテーマを繰り返し話してはいけない、という決まりはありません。
むしろ中小企業の場合、伝えたい軸はそう多くないはずです。
例えば工業系の企業で考えてみると、このような軸があると思います。
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安全第一で仕事をしている
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若手を育てる文化を大事にしている
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環境への配慮を徹底している
こうした自社の軸は、何度も何度も伝えて良い大事なメッセージです。
ただ、同じ言葉をそのままコピペすると、飽きられてしまいますから、伝え方を変えることで鮮度を保つのです。
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XやThreadsで、1〜2行の気付きとして投稿
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Instagramで、写真とセットにしてストーリーとして語る
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ホームページで、実績紹介やFAQとして整理する
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ニュースレターで、背景や失敗談も含めてじっくり言葉にする
言っていることの核は同じでも、受け取る側にとっては別々の体験になります。
コンテンツは、一粒を何度も使って良い。
ただし、そのたびに少しずつ磨いたり、見せ方を変えたりしましょう。
🚦コンテンツリレーで、ネタを育てる
とはいえ、頭の中だけで考えていると難しそうなイメージが先行してしまうかもしれません。
そこで、1つのネタを最大4段階でリレーする発信方法を試してみましょう。
段階1:XやThreadsで「つぶやきとして」試す
段階2:画像や短い動画として広げる
段階3:ホームページのコンテンツやFAQにして、残る形にする
段階4:ニュースレターや長尺動画で、背景や文脈も含めて深く語る
4段階すべてやらなくてもOKです。
2〜3段階だけでも、自社に合うやり方で構いません。
順序を逆にしても良いのです。
つまり、ブログやニュースレター、YouTube長尺動画などボリュームが多く長めのコンテンツを先に1つ作り、Xやリールなどのショート動画、Instagramのストーリーズなど小さなコンテンツを複数に分けて作る方法です。
以下は長尺を最初から作るのが大変という方向けに、小さな負担の少ないコンテンツから発展させていく方法をご紹介します。
段階1:XやThreadsで「小さく投げて」みる
XやThreadsで以下のようなことを1〜3行くらいで投稿してみます。
短文コンテンツは、負荷が少ないので気軽に試すことができますよね。
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現場で気付いたこと
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お客様との会話でハッとしたこと
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社内で共有したい学び
ここでは、実験段階だと捉え、いいねや反応を過度に気にしなくても構いません。
とはいえ、何かしらユーザーからの反応がある投稿は要注目です。
段階2:画像や短い動画として広げる
段階1で作った投稿のテーマを参考に、画像や動画にしてみます。
段階2は視覚情報のコンテンツに展開してみる試みです。
反応が良かった投稿のテーマは喜ばれるかもしれません。
(しかし、発信する媒体が変わるとユーザーも変わるので、反応に頼り過ぎないようにしましょう)
自社の画像にテキストを載せても良いですし、スタッフが語っても良いでしょう。
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現場の写真を4~5枚添えてInstagramに投稿
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30〜60秒程度のショート動画で、口頭で補足する
テキストだけでは伝わり切らなかった雰囲気や温度感が、ぐっと伝わりやすくなります。
段階3:ホームページのコンテンツやFAQにして、残る形にする
さらに育てたいテーマは、ホームページのコンテンツとして整理します。
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施工事例やお客様の声として、1ページにまとめる
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よくある質問として、質問と答えの形にする
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採用ページの中で、働き方のリアルな声として掲載する
ここまでくると、検索やAIからも拾ってもらいやすくなります。
段階4:ニュースレターや長尺動画で、背景や文脈も含めて深く語る
最後に、そのテーマをニュースレターや長尺の動画で取り上げます。
ブログ記事にしても良いでしょう。
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どうしてそれを大事にしているのか
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そこに至るまでに、どんな失敗や試行錯誤があったのか
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現場のスタッフは、どう感じているのか
背景やストーリーをじっくり語るのです。
ニュースレターは、すでに自社に関心を持ってくれている人に向けて発信する場なので、少し踏み込んだ本音や、裏話のような部分も歓迎されます。
💫発信するメディアに合わせて1つのテーマを変化させる
同じテーマでも、SNS・ホームページ・ニュースレターの役割が少しずつ異なります。
それぞれの場にふさわしい深さやトーンで、1つのテーマを何度も届けていくのです。
イメージは掴めたでしょうか?
ここから先は、実際に自社のテーマでリレーを組んでみるための具体的な設計方法をご紹介します。