中小企業のWeb運用「基礎固め」で自社を変化に対応できる体質に変える
こんにちは、チャコウェブの横山ゆみこです。
2025年、検索まわりの変化が一気に進みました。
「頑張って記事を書いても、SNSを更新しても、以前のように結果が読みにくい」
この感覚を持った方は多いのではないでしょうか。
しかし、ここで焦って新しい小技に飛びつくのはおすすめしません。
変化が激しい時ほど、効くのは本質的な基本だからです。
2026年に向けて、私たち中小企業が持つべきものはシンプルです。
どこから流入しても、AIに要約されても、比較されても、最後に選ばれるための資産を育てること。
今回は年末のまとめとして、これからのWeb運用を迷わず進めるための地図を作ります。
全文無料でお届けします。
4つの資産に分解して、優先順位と、次に何をすればいいかまで落とし込みます。
読み終えたときに、来年の打ち手が整理されて、動き出しやすくなっていれば嬉しく思います。
目次
🌍 2026年に起きることは、難しい話ではない
🧭 4つの資産で整理する
🧱 資産1 会社の事実を整える
🧰 資産2 現場の実績や知見を蓄積する
🧵 資産3 縁のある人とつながり続ける
🔁 資産4 続く仕組みが社内にあること
📅 90日で土台を作るロードマップ
✅ 今日やるならこの1つを
📌 まとめ 来年の勝ち筋は派手さではなく積み上げ
🌍 2026年に起きることは、難しい話ではない
難しそうに見えますが、起きていることは案外シンプルです。
2025年に起こったのはこのようなことです。
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検索は前よりも早い段階で答えを出す
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SNSは投稿そのものが「欲しい情報が見つかる」場所になっている
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AIが要点をまとめて候補を並べる場面が増えた
つまり、私たちの情報は以前よりも、途中で切り取られやすくなっています。
「ホームページの1ページを全部読んでもらってから判断される」という前提が崩れつつあるのです。
人のアクセスよりbotのアクセスが増えていることからもわかります。
ここで怖いのは、うまくいかない理由が見えづらいこと。
頑張っているのに、数字が読めず焦ってしまいやすいと予想します。
だからこそ、大切にしっかり築いておきたいのが、土台に当たる部分です。
正直、テクニックはすぐに賞味期限が切れるため、頑張っても長持ちしません。
忙しく、リソースも少ない私たち中小企業は「基礎固めをして長期の効果を狙う」べきです。
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どんな形で見られても、ちゃんと伝わる
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どんな場所で比較されても、選ばれる
この状態を作っておけば、変化に振り回されにくくなります。
🧭 4つの資産で整理する
私は、Web運用を4つの資産に分けて考えるのがいちばん分かりやすいと思っています。
資産1 会社の事実
資産2 現場の証拠
資産3 縁のある人とのつながり
資産4 続く仕組み
この4つが揃うと、AIにも人にも伝わりやすくなります。
🧱 資産1 会社の事実を整える
会社の事実とは、公式の基本情報です。
基本情報を「網羅的に」「正しく」「どのメディアでも」揃えて提示しましょう。
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会社名
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所在地
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電話番号
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営業時間
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対応エリア
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事業内容(何屋さんなのか)
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特徴(何が強みか)
「こんなの当たり前では?」
そう思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ホームページを見ると、サービス名は載っているものの、地名が載っていないなどはよく見かけます。
基本情報に抜け漏れがある場合、「●●エリアでおすすめの事業者を探して」といった質問でおすすめ候補には出してくれません。
また、情報が正しく揃っているかどうかも重要です。
会社の事実は、信用の土台
ホームページに書いてある営業時間と、Googleマップの営業時間が違うといったズレがあると、人もAIも混乱します。
候補から落とされる要因になってしまうのです。
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電話番号が古い
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会社名の表記がバラバラ
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対応エリアがはっきりしない
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何の会社かが一言で言えない
このようになっていないか、ひと通りチェックしましょう。
オフライン、オンライン両方揃えます。
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ホームページ
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SNS各アカウント
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Googleマップ
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メールの署名
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パンフレット
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業界のまとめサイトに登録してある情報
来年に向けてまずやるなら、会社の事実情報を1枚にまとめて、全チャネルで統一する。
これが最初の一歩として最強です。
自社の情報が載っている媒体を一覧でまとめておくのも良いでしょう。
事実の整備は、集客だけでなく採用にも効きます。
求職者は、会社の基本情報が曖昧なだけで不安になります。
不安感が増すと応募しようとしていた人の行動は止まり、他に移動してしまいます。
会社の事実は、信用の土台です。
🧰 資産2 現場の実績や知見を蓄積する
ここでいう実績や知見は、派手な実績や受賞歴だけではありません。
現場で起きたことを、外に伝わる形で残したものです。
例えば、どんな課題があって、どう工夫して、結果がどう変わったのかといった話です。
製造業なら、品質や納期を守るための工夫
建設業なら、安全と近隣配慮の実際
運送業なら、事故を防ぐ仕組みや荷物の扱いの丁寧さ
産廃なら、許可や処理フローの透明性
幼稚園や保育園なら、保育の方針と日々の園児の様子
どの業界でも、事業を行っていれば蓄積している事柄です。
お客様の声も同様です。
そして、自社ならではの経験として他にはない独自体験でもあります。
このような、「一次情報」を大切にまとめていきましょう。
なぜなら、現場の温度があるからです。
生成AIは物事を体験することができないため、これらの実績や知見を生み出すことはできません。
「この会社、良い感じだな」
と思ってもらえるのは、一次情報がきっかけとなると予想しています。
実績や知見を文章や動画、音声に残していく
これまで、実績や知見を何かの形にまとめたことがない会社が多いと思います。
今からでも遅くはありません。
ぜひ自社の財産として蓄積していきましょう。
そして、どんどん発信していきましょう。
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写真フォルダに眠っている施工写真
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毎日出ている点検記録
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お客様からもらった一言
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クレームを減らした改善
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新人が育った過程
これらを外に出せる形に整えるだけで、コンテンツになります。
🧵 資産3 縁のある人とつながり続ける
私は、2026年に効くのは入口よりつながりだと考えています。
入口は変わります。
検索もSNSも、表示のされ方が変わり続けるでしょう。
「検索順位1位」
この価値が下がっていることからも、ずっと同じではいられないことは明らかです。
しかし、縁のある人とつながり続けられる会社は強いはずです。
数回前に「自前チャネル」という形で解説しました。
ここで勘違いしてほしくないのは、自前チャネルは「新規が取れない仕組みではない」ということ。
むしろ、新規顧客の獲得を安定させるために必要です。
新規の人は、いきなり問い合わせをしません。
まずは見て、比べて、保留します。
その保留の間に、別の会社に流れていきます。
それを防ぐために、縁ができた瞬間につながりを残すのです。
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ニュースレター
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メルマガ
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LINE
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採用向けの案内
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イベントや見学会の案内
こういう仕組みがあると、想起されやすいゆるいつながりが続きます。
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検討中の人が戻ってくる
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紹介が生まれる
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タイミングが来たときに思い出される
このような流れを期待できるのです。
つながりが途切れると、あっけなく忘れられてしまいます。
現代人は忙しく、似通ったサービスや製品も溢れているため、あなたのサービスを記憶し続けるのが難しいのです。
「つながりを保つ」ことをもっと大切にして、関係を育てたいですね。
🔁 資産4 続く仕組みが社内にあること
最後は、仕組みです。
ここがないと、全部続きません。
一時的に整っても、忙しさに押されて元に戻ります。
それなのに、あまり優先されていないように見える会社が多いのが実際だなと思っています。
根性によって支えられる発信は長続きしません。
スタッフに根性を求めるのではなく、仕組みを整える工夫をしていきましょう。
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誰が書くかを決める
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毎週の小さな時間を確保する
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ネタ出しを分担する
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型を決める
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振り返りの場を作る
Web運用を実践する時間を確保し、皆で協力する雰囲気を作り、振り返りによって今の自社を冷静に把握するのです。
特に中小企業では、広報担当者だけに背負わせると止まります。
広報担当がいないことが多いと思いますので、「流れで担当になってしまった人」が実際かもしれません。
社長の承認がないと動けない会社も多いですし、現場の協力がないと情報もネタも集まりません。
だからこそ、社内で続ける仕組みが資産になります。
これができると、発信が単なる広報ではなく、経営の武器になります。
📅 90日で土台を作るロードマップ
ここまでを、90日で形にするならこう考えると動きやすいのではないでしょうか?
最初の10日:資産1を整える
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会社の事実を1枚にまとめて、各媒体の表記を統一する
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問い合わせの導線が迷わないか確認する
次の40日:資産2をため始める
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現場の実績や体験を週1で外に出す
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お客様の声を集める
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施工事例、改善事例、よくある質問の更新を始める
次の40日:資産3と資産4を並行で作る
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ニュースレターやLINEの登録導線を置く
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小さな運用ルールを決めて、続く形にする
90日で完璧を目指さなくても構いません。
上記はあくまでも目安です。
例えば、資産1は1日で出来てしまうかもしれません。
90日で、続けられる型を作ることを重視しましょう。
その方が来年の伸びが変わります。
✅ 今日やるならこの1つを
今日やるなら、会社の事実を1枚にまとめる。
これをおすすめします。
紙でもオンラインメモでも構いません。
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会社名の正式表記
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所在地
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電話番号
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営業時間
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対応エリア
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何屋さんかを一言で
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問い合わせ方法
書き出して、ホームページ、Googleの情報、SNSのプロフィールを見比べてみてください。
ズレが見つかったら、それが改善ポイントです。
派手ではありませんが、ここが整うと、その後の施策が全部効きやすくなります。
📌 まとめ
2026年に向けて必要なのは、目新しいテクニックではなく、選ばれるための資産を積み上げることです。
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会社の事実を整える
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現場の実績や知見をためる
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縁のある人とつながり続ける
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続く仕組みを社内に作る
この4つがそろうと、変化に強い基礎固めができます。
中小企業の強みである誠実さや現場力が、ちゃんと伝わるようになりますよ!
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