検索に振り回されない中長期戦略:中小企業のための自前チャネル設計

自社メディアの重要度、かつてないほど上がっています。
チャコウェブ 2025.12.10
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こんにちは、チャコウェブの横山ゆみこです。

前回、前々回のニュースレターでは、ゼロクリック時代に備えるためにホームページでできることをお伝えしました。

  • 指名検索で公式サイトをきちんと出す

  • FAQを厚めに整えて、検索画面の中だけでも要点が伝わるようにする

今回は、その次の一歩。

検索結果に振り回されすぎないための、自前チャネルづくりについてお話しします。

ニュースレターやメルマガ、LINEのような、自社から直接届けられるルートを持っておくことは、ゼロクリック時代の心強い保険です。

検索やSNSの波にさらわれても、つながり続けるための細い糸のような存在と言えるかもしれません。

かといって、いきなり壮大な仕組みをつくる必要はありません。
今いるお客さまや求職者との関係を少しずつ育てるところからで大丈夫です。

今回は、考え方から具体的な設計のコツまで、一緒に見ていきましょう。

目次

🌊 検索の激動時代だからこそ「自社ルート」を持つ
🧍 自前チャネルは縁ができた人とのつながりを強化する
📮 中小企業が持てる自前チャネルの選び方
🎯 誰に、何を、どんなリズムで届けるかを決める
🧱 自前チャネル設計図づくり 3ステップ
🛤 登録導線の作り方:ホームページとオフラインの両方で用意
📝 書きやすく、読みやすいニュースレターの型
🔁 続けるための運用ルールと数字の見方
📌 まとめ

🌊 検索の激動時代だからこそ「自社ルート」を持つ

ここ数回のレターでお伝えしてきた通り、検索まわりは激動の最中にあります。

AIによる概要が出たり、AIモードで要約が先に表示されたり。

ホームページにたどり着く前に、検索画面の中でほとんどの答えが出てしまうケースも増えました。

  • キーワード検索からの流入が読みにくくなっている

  • 検索アルゴリズムの変更に、一喜一憂させられやすくなっている

こんな現象が起きています。

しかし、それは「検索がいけない」という話とは違います。

形は変わっていくにせよ検索やSNSは、これからも重要な入り口であるでしょう。

ただ、そればかり頼っていては変化のたびに会社ごと揺さぶられてしまいます。

だからこそ「反響をもらうルート」を多数用意すべきです。

  • 検索やSNSなど、外部の仕組みに乗るルート

  • 自社から直接届けられる、自前のルート

どちらのルートも持っておくことは、これからの中小企業には欠かせないと感じています。

今回は、この自前ルートをいかに築くかに焦点を当てています。

***

🧍 自前チャネルは縁ができた人とのつながりを強化する

自前ルートを生み出すために、「自前チャネル」を持ちます。

自前チャネルと聞くと、「新規のお客さまを一気に増やすための仕組み」というイメージを持たれるかもしれません。

もちろん、育てていけば新しいお客さまや応募者にもつながります。

しかし、スタート地点として一番力を発揮するのは既に「ちょっとでも」ご縁がある人との関係づくりです。

  • 一度問い合わせをしてくれた方

  • すでに取引のあるお客さま

  • 採用ページを見に来てくれた求職者

  • セミナーや説明会に参加してくれた方

このような方々に、こちらから定期的に近況や知恵を届けていくのです。

すると、次のような動きが生まれてきます。

  • タイミングが来たときに、真っ先に思い出してもらえる

  • 検討中で止まっていた方が、再び相談してくれる

  • 読んでくれた方が、別の誰かに紹介してくれる

新規獲得ばかりを狙うのは、中小企業にとっては負担が大きく感じられます。

一方、既にあるご縁を起点に自前チャネルで関係を温めておくと、そこからじわじわと新しいご縁が生まれてきます。

自前チャネルは、今いる人のファン度を少しずつ高めながら、その延長線上で新しい出会いにもつなげていく橋のようなものと捉えられるのではないでしょうか。

***

📮 中小企業が持てる自前チャネルの選び方

では、具体的に持てる自前チャネルとはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

  • ニュースレターやメルマガ

  • LINE公式アカウント

  • 採用向けのメール配信やLINE配信

  • 会員向けのオンラインコミュニティや限定配信

代表的なものはこのあたりです。

自社に合うものを選び、まずは1つをしっかり始めていくのが良さそうです。

どのチャネルを選ぶかについては、次の2つを押さえると考えやすくなります。

1つ目:相手が普段触れている場所
お客様がメールをよく読むのか、LINEをよく見るのか。
求職者であれば、どの手段なら負担なく読み続けてもらえそうか。

2つ目:自社の体制で無理なく運用できる方法
社長が書くのか、広報担当が書くのか、それとも持ち回りで書くのか。
コミュニケーション方法はどうするのか。

  • 相手に届きやすい

  • 自社で続けやすい

その意味では、theLetterのようなニュースレターや、シンプルなメルマガは、中小企業との相性がかなり良いと感じています。

***

🎯 誰に、何を、どんなリズムで届けるかを決める

チャネルを決めたら、次は中身の設計をしましょう。

ここでいきなり「何を書けば良いのか分からない」という壁にぶつかりやすいと思います。

その壁を乗り越えるために、次の3つを決めるところから始めるとスムーズです。

  • 誰に届けたいのか

  • 何を感じてほしいのか

  • どのようなリズムで届けるのか

誰に届けるのか

多くの人に読んで欲しいからといって、すべての人に向けたお知らせにしてしまうと、内容がどうしてもぼやけてしまいます。

すべての人に向けても、結局誰にも刺さりません。

「この人に読んでもらえたら嬉しい」

と思える具体的な1人を思い浮かべてみてください。

ペルソナを設定しているなら、その人に向けて書きましょう。

ペルソナは過去のニュースレターで解説しています。

何を感じてほしいのか

読み手にどんな印象を抱いてほしいでしょうか?

  • ここは安心して頼めそうだな

  • この会社と一緒に働いてみたいかも

  • 何かあったら、まずここに相談しよう

「いつも示唆に富む情報をくれる」
「共感できる話が多い」
「製品への愛を感じる」

など、自社が発信する情報を受け取った人は様々な感想を抱きます。

狙い過ぎる必要はありません。

とはいえ、届けたいことを決めると、コンテンツの方向性を定めやすくなります。

どのようなリズムで届けるのか

完璧を目指すと続きません。

自社のペースに合わせて決めてしまいましょう。

頻度は高いほうが良いのですが、まずは月1回や月2回などでも構いません。

3か月だけ続けてみる前提で設計し、そこで得られた反応を見て、増減や内容の調整をしていくのもおすすめです。

ここから、実際に自前ルート構築のためのチャネルを設計していきます。

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