ゼロクリック時代の切り札FAQを厚めに設計する作り方ガイド
こんにちは、チャコウェブの横山ゆみこです。
前回のニュースレターでは、指名検索に焦点を当てました。
会社名や屋号で検索された時に、
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きちんと公式サイトが出るか
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何屋さんで、どこで、何をしている会社かがすぐに分かるか
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電話や問い合わせにつながるか
この3つを、90分の集中改善で整える方法をお伝えしました。
今回は、その一歩手前の話です。
今の検索結果やAI要約では、ホームページに来てもらう前に候補が絞られてしまうことが増えてきました。
つまり、ページの中身そのものも、「画面の中だけで」要点が伝わるようにしたり、AIや検索エンジンが意味を理解しやすい形にしたりすることが、より重要になってきています。
その要となるのが、FAQ(よくある質問と回答)です。
今回は、FAQを「情報のまとまり」として設計するやり方と、構造化データの考え方を見ていきます。
目次
🧊 検索画面の中だけで会社が判断されるようになってきた
🧱 FAQは、ぱっと情報を理解できる好立地なコンテンツ
🧩 ユーザーが通る3つの層とFAQの役割4つ
🏁 FAQの作り方は柔軟に
🗺 FAQ設計の3ステップ
✍ 伝わるFAQの書き方
📌 構造化データを FAQ と会社情報で実装してみよう
🏭 業種別 FAQ 例でイメージを固める
📌 まとめ
🧊 検索画面の中だけで会社が判断されるようになってきた
ここ数年で(いや、たった一年かもしれません)、検索の使われ方は大きく変わりました。
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一般的な質問の答えは、検索結果の画面の中でほぼ解決
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AIによる概要で、複数サイトの要点が一気に並ぶ
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詳しく知りたい人だけが、リンクをクリックする
こんな流れが当たり前になりつつあります。
「画面の中だけで、ある程度の理解と判断がされてしまっている」
ということですね。
クリックしてもらう前提だけでページを作るのではなく、検索結果やAIの要約に抜き出された時点で、要点が伝わるようにすることが重要になってきました。
今、検索は激動の時代です。
ですから、細かいところをハックしてもすぐに変化に追いつけなくなるかもしれません。
軸となる自社情報が正確に読み取れるようにすることといった、基礎をしっかり固めることが今やるべきことです。
🧱 FAQは、ぱっと情報を理解できる好立地なコンテンツ
以下4点は、目が自然と止まりやすい場所です。
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タイトル
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冒頭の数行
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見出し
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箇条書きやQ&A形式のところ
QとAが並んでいるFAQ形式は、字が多くても読みやすく、知りたいことだけ拾い読みしやすいため、多くの人が好んで見る場所です。
検索エンジンやAIなどの機械もこれらの情報を重点的に把握します。
質問と、それに対する答えという形ではっきり示されるため、機械にも理解しやすいからです。
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どんな疑問に答えているページか
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どんなサービスで誰がターゲットなのか
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どんな条件や料金体系なのか
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どんな不安を解消しようとしているのか
このような情報をパッと入手できて便利ですよね。
実際、チャコウェブの支援先でFAQをしっかり書き込んだページは内容を拾ってもらえる体感が明らかに高まりました。
🧩 ユーザーが通る3つの層とFAQの役割4つ
ハウツー記事を見ると、FAQは3問だけ載せましょう、と書かれていることがあります。
しかし、中小企業の現場を見ていると、3問では明らかに足りません。
チャコウェブでは「たっぷり載せましょう」とお伝えしています。
依頼を検討している人の頭の中には、だいたい3つの層があります。
1つ目の層:基本情報
この会社は何屋さんで、どこにあって、自分に関係があるのかどうか。
2つ目の層:条件と比較
料金、納期、対応範囲。
自分の条件で頼めるのかどうか。
3つ目の層:安心と次の一歩
安全性や許認可、トラブル時の対応。
問い合わせなど、最初に何をすれば良いか。
この3層を、3問でカバーするのはほぼ不可能ですよね。
おすすめしているのは、FAQを以下のように設計するやり方です。
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3つの役割
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4つのグループ
役割としては、先ほどの3つです。
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基本情報を手早く伝える
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条件や比較の材料を出す
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背中を押し、次の一歩を案内する
実務上は、質問を次の4グループに分けて考えると整理しやすくなります。
A:基本情報
何屋さんか、どんな実績か、どこまで対応しているかといった土台の部分です。
B:条件・料金・対応範囲
料金体系、対応エリア、納期、対象となる人や業種など、比較材料になる部分です。
C:安心材料やリスク
安全性、品質管理、許認可、トラブル時の対応など、「この会社で大丈夫か」を判断する材料です。
D:具体的な進め方・次の一歩
初めての人が、「まず何をすれば良いか」「どのように進むのか」が分かる部分です。
各グループから2〜4問ずつ選ぶと、8〜15問くらいのFAQになります。
このくらいの厚みがあれば、一般ユーザーの疑問、AIや検索エンジンが拾いたい要点のどちらに対しても、親切なページになります。
FAQは、「質問のまとまり全体でストーリーを作る」という発想に切り替えてみましょう。
🏁 FAQの作り方は柔軟に
FAQは、必要なページにそれぞれ追加しても良いと思います。
「サービス案内」と「採用情報」はそれぞれ違う目的を持つ人が閲覧しますよね。
ですから、FAQのみのコンテンツとしてまとめても良いですし、それぞれのページですぐ解決できるようFAQコンテンツを設けるのもおすすめです。
売上に直結するページ
問い合わせや見積もり、資料請求につながるページです。
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メインサービスの説明
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料金・プラン
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問い合わせや見積もりの流れ
ここにFAQがあると、「迷っている人」の背中を押しやすくなります。
採用に直結するページ
人手不足の時代、ここは大きな差がつく部分です。
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採用情報トップ
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募集要項
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社員インタビューや1日の流れ
求職者は、細かいことまで不安を抱えています。
ここにFAQがあるだけで、「この会社なら大丈夫そうだ」と感じてもらいやすくなります。
ここから先は、実際に手を動かしながら以下を具体的に見ていきます。
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どんな質問を選ぶか
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どう書けば伝わるか
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検索エンジンやAIにどう届けるか
自社サイトを見ながら一緒にやっていきましょう。