「接客」と「Web発信」は地続き。本業を大切にすれば、Webにも自然と効く
こんにちは、チャコウェブの横山ゆみこです。
「Webだけが、別個のキラキラした存在のように思われている」
ご相談に来てくださる経営者の方を見ていて、私は何度もそう感じてきました。
ですが、現場で長く支援をしてきて、こう確信しています。
Webは、決して別個のキラキラした存在ではないのです。
Web発信は、普段の接客や営業、サービス提供と地続きの活動です。
丁寧に仕事をしている様子を、デジタル上に多々見せていく。
ただそれだけのことなのですよね。
今回は、 「検索順位が上がれば集客できる」と短絡的に考えて失敗した会社の話 と、 「本業を大切にしてWebでも成果が出た会社」の話 をご紹介します。
両者の違いは、 本業をどう捉えていたか に集約されました。
目次
「Webだけが、別個のキラキラした存在ではない」
ある書評を読んで、改めて感じたこと
「検索順位が上がれば集客できる」の落とし穴
ある教育系の会社で起きたこと、ある医療系の会社で起きたこと
両社の共通点:「誰に、何を届けるか」が抜け落ちていた
ロードサービス会社が、採用で成功した話
求人媒体から、自社の在り方を見せる発信への転換
本業を大切にするWeb活用、4つの実践
まとめ:接客の延長線上にWeb発信を置く
「Webだけが、別個のキラキラした存在ではない」
ホームページやSNSのご相談に来てくださる経営者の方とお話ししていると、よくこんな感覚に出会います。
「Webは、自分たちの本業とは別の世界の話だ」
「専門知識がないと、何もできない」
「とにかくSEO対策をしないと、検索で上がらない」
Webが、 何か特別で、キラキラしていて、本業とは別物の存在 のように見えているのです。
私はこれを、 もったいない誤解 だと感じています。
普段の接客や営業活動、サービス提供と、Web発信は、本来同じものなのですよね。
お店でお客様と向き合うときの丁寧さ、営業の現場で伝える誠実さ、現場で発揮するこだわり。
それらをそのままデジタル上に見せていく。
それがWeb発信の本質です。
ですから、Webだけを特別なものとして捉えると、かえって本業から離れてしまいます。
本業の良さを忘れて「Web対策」だけを追いかけると、結果も出ないのですよね。
ある書評を読んで、改めて感じたこと
最近、 ナイル株式会社の土居健太郎さん が書かれた、 住太陽さんの書籍『AIで集客する仕組み 〜クリックされない時代に選ばれるAI検索のセオリー〜』の書評 を読みました。
お二人ともSEO業界の大先輩で、長く第一線で活躍されている方々です。
読もうと既に書籍を買っておいたのですが、先に記事を読んで「これはすぐ読むべき本だ」と改めて思った次第です。
その書評の中で、土居さんがおっしゃっていることが、私がずっと感じてきたことと重なっていました。
少し引用させていただきます。
「自社だからこそできるマーケティングをしっかりやる」の地続きにSEOやAI検索の話が置かれている
それはSEO関係なく普通にマーケティングをやれってことしか言ってないではないか、と返ってきそうですが、そういうことです。それで合っています
「ちゃんと見込みのある潜在顧客にアプローチする活動をする」+「その証跡をデジタル空間に残していく」
書評の出典はこちらです。
つまり、SEOやAI検索対策に走るのではなく、 本業のマーケティングをしっかりやり、その結果をデジタル空間に残していく。
これが今の時代の正攻法だということです。
ゆっくり読みながら、私は何度も頷いていました。
ニュースレターで何度かお伝えしてきた「Webだけが解決策ではない」という話は、こういうことだったのですよね。
「検索順位が上がれば集客できる」の落とし穴
ですが、現場では、まだ「Webだけ追えば結果が出る」と思っている経営者の方が、多いのです。
「検索順位が上がれば、集客できる」
「SEO対策をすれば、お客様が増える」
このイコールのつなぎ方が、 多くの中小企業を間違った方向へ進ませている 原因のように感じます。
検索順位は、確かに大切な指標のひとつです。
ですが、検索順位が上がること自体が目的になってしまうと、本業から離れた施策に走りがちです。
そして、本業から離れたWeb対策は、ほぼ確実に失敗します。
ここから、私が現場で見てきた2つの失敗事例をお話しします。
ある教育系の会社で起きたこと、ある医療系の会社で起きたこと
ある教育系の会社で起きた話です。
その会社は、 「SEOに強い」と謳う営業会社の言葉を信じて、中身の薄い記事を量産 されていました。
キーワードを入れた記事をたくさん出せば、検索順位が上がるという認識だったようです。
ですが、結果はその逆でした。
質の低い記事を大量に出したことで、サイト全体の評価が下がり、 検索順位が大幅に落ちた のです。
経営者の方は、Webの専門知識がなかったため、営業会社の説明を信じるしかなかったのですよね。
責められない部分もあります。
ただ、結果として大きな損失を被ることになってしまいました。
もうひとつ、ある医療系の会社の話もご紹介します。
このクリニックでは、 「何でもいいから記事を書けば、検索順位が上がる」 という認識を持たれていました。
ある日、医師が学会のため休診というお知らせ記事を出したのに、その記事がGoogle検索に登録されないことに、お怒りになったことがあります。
私から「検索ユーザーにとってメリットのない記事は、現在は登録の対象になりません」とお伝えしたのですが、なかなかご理解いただけませんでした。
「キーワードを入れて、SEO対策をしたサイトなら、書けば何でも登録される」という認識をお持ちだったようです。
両社とも、その後のお話はうまく繋がりませんでした。
「これ以上Webにお金をかけるのが嫌だ」とおっしゃって、ご依頼に至らなかったのです。
「うまく説明できなかったな」
「ちゃんと理解してもらいたかったな」
という悔いが残るせいか、こういった方々のことをたまに思い出します。
両社の共通点:「誰に、何を届けるか」が抜け落ちていた
この2つの事例には、共通点があります。
それは、 「誰に、何を届けるか」という視点が、ほとんど抜け落ちていた ことです。
学習塾を必要としているのは、どんな保護者でしょうか。
どんな悩みを持って、どんな塾を探しているのでしょうか。
クリニックを必要としているのは、どんな症状の患者さんでしょうか。
その方々は、何を知りたくて、何を不安に思っているのでしょうか。
こうした問いを置いたまま、 「とにかく記事を量産すれば、検索順位が上がる」「キーワードを入れれば登録される」 という発想で動いてしまうと、本業から完全に切り離されたWeb対策になります。
そして、本業から切り離されたWeb対策は、ほぼ確実に失敗するのですよね。
当たり前のことですが、 検索ユーザーは、自分にとって価値のある情報を求めている からです。
Webだけを追って、本業を見失う。
これはもったいないことだと感じています。
ロードサービス会社が、採用で成功した話
ここからは、対照的に成功した会社の事例をご紹介します。
私たちが支援させていただいている、あるロードサービスの会社の話です。
その会社の主な目的は、 採用の強化 でした。
私たちにご依頼いただく前は、大手の求人媒体に情報を載せていたそうです。
問い合わせから面接まで進んだら成果報酬、就職が決まったらまた成果報酬。
そういう形で求人媒体に情報を載せていました。
ところが、 成功報酬まで払ったにもかかわらず、なかなか定着しなかった のです。
そもそも、面接まで何とかこぎつけても、マッチする人からの応募が少なく、非常に悩んでおられました。
「うちで本当に働きたい人に、どうしたら届くのか」
社長さんは、ここで一度立ち止まられたのです。
求人媒体から、自社の在り方を見せる発信への転換
その会社で取り組んだのは、 ホームページをしっかり立ち上げて、自社の在り方を全方位から見せていく ことでした。
具体的には、こんな内容を発信していきました。
会社の社風
経営者として何を目的にしているか
どのような企業文化を育てているか
実際にロードサービスで使っている車両の紹介
現場で働くスタッフの様子
「ありとあらゆることを、自社をよく見えるようにする」という方針で、私たちと一緒に取り組まれました。
そして現在も、ショート動画、ブログ記事、SNSの発信などを継続的に行っています。
これらを通じて、 「企業の在り方を見せる」活動を続けている のです。
「ホームページもブログもSNSも動画も全部見ました」
結果として、何が起きたか。
安定して応募が来るようになりました。
しかも、その応募者の方々は、面接でこうおっしゃるのです。
「このような会社で働きたいと思いました」
「ホームページもブログもSNSも動画も、全部見ました」
応募の前から、その会社の在り方を理解した上で「ここで働きたい」と思って来てくれているのですよね。
だから、入社後の 定着率も高く、離職率が大幅に減りました 。
それまで大手求人媒体に支払っていた金額の 半分以下の費用で、何倍もの応募 が来るようになったそうです。
社長さんは、大変喜んでおられます。
さらに、副次的な効果もありました。
人が増えて、安定したサービス提供ができるようになったことで、 保険会社からの評判も大変良くなった とおっしゃっています。
(このロードサービス会社は、保険会社からの依頼で出動する仕事をされています)
現在は社員ファーストを掲げ、より働きやすい環境づくりに取り組んでいます。
採用の成功が、本業の信頼にも繋がっていったのです。
これが、本業を大切にしながらWebを活用する、本来の姿だと私は感じています。
本業を大切にする Web活用、4つの実践
ここまでの話を踏まえて、本業を大切にしながらWebを活用するための、4つの実践をご紹介します。
1. 接客で大切にしていることを、そのままWebで見せる
普段の接客で「ここは大切」と思っていることが、必ずあると思います。
笑顔で挨拶する、相手の話を最後まで聞く、丁寧に説明する、アフターフォローを欠かさない。
そういう 接客の中で大切にしている動作や姿勢を、そのままWebで見せていく のです。
写真でもOKです。
短い動画でもOKです。
ブログでエピソードを書いてもOKです。
形は何でも構いません。
接客の良さは、Webにも伝わります。
お客様にしている丁寧さは、未来のお客様にも伝わるのですよね。
2. 「誰に、何を届けるか」を最初に明確にする
Web発信を始める前に、必ず確認してほしいのが、 「誰に、何を届けるか」 です。
自社の商品やサービスを必要としているのは、どんな人か
その方々は、どんな悩みや願いを持っているか
自社が提供できる価値は、その悩みや願いとどう繋がるか
ここを明確にしないまま、 キーワードや検索順位だけを追いかけると、必ず迷子になります。
逆に、ここを明確にしておくと、 何を発信すればいいかが自然と見えてきます 。
そして、本業のマーケティングそのものが、デジタル上で展開できるようになるのです。
3. 自社の在り方を多面的に見せる
ロードサービス会社の事例で見たように、 会社の在り方は多面的に見せる ことで、深く伝わります。
社風、価値観、経営者の想い
スタッフの様子、職場の雰囲気
商品やサービスの背景にある工夫
お客様との具体的なエピソード
道具や設備、現場の風景
一面だけ切り取って見せても、深い理解には届きません。
複数の面から、地味に丁寧に見せていく。
そうすることで、見てくださった方の中で「ここは信頼できる会社だ」というイメージが、立体的に立ち上がります。
4. Web対策テクニックではなく、本業のマーケティングに投資する
これは、最後にお伝えしておきたい大切なことです。
ですが、 テクニックだけに投資しても、根本は変わりません 。
ですが、 テクニックだけに投資しても、根本は変わりません 。
それより、 本業のマーケティングそのものを磨くこと に投資してください。
お客様の声を集める仕組み
スタッフが発信に使える時間と道具
自社の強みを言語化する場
接客の現場をそのまま伝える方法
こうしたところに時間とお金を使うほうが、長期的には何倍もの効果を生みます。
まとめ:接客の延長線上にWeb発信を置く
Webは、別個のキラキラした存在ではありません。
普段の接客や営業、サービス提供と地続きの活動です。
「検索順位が上がれば集客できる」というイコールのつなぎ方を、いったん手放してみてください。
そして、 「本業を大切にして、その様子をデジタル上に丁寧に見せていく」 という方向に、軸足を移してみていただきたいなと思います。
派手な成果はすぐには出ないかもしれません。
ですが、ロードサービス会社の事例のように、長く効く結果が、確実に積み上がっていきます。
私自身、こうした経営者の方々のそばに立ち会えることが、この仕事の喜びです。
ご自身の本業を大切にしながら、Webを上手に活かしていく経営者が一人でも増えたら、嬉しく思います。
ご感想や、「自社で実践してみた」というお話があれば、ぜひメールに返信する形で教えていただけると嬉しいです。
来週もまた、お会いできるのを楽しみにしています。
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