「うちには無理」が消える。Web発信を止めていた4つの壁とは
こんにちは、チャコウェブの横山ゆみこです。
ホームページやSNSを通じた発信が、これからの中小企業の経営にとって大事だという話は、私自身、何度も何度もお伝えしてきました。
それでも、何度お伝えしても動き出さない経営者の方が、現実にはいらっしゃいます。
「うちには無理ですよ」
「自社にはできるはずがない」
こういう言葉を聞いた時、正直に申し上げると「やる気ないなぁ」と思ってしまっていました。
その時点で「ダメだな」というあきらめの気持ちが浮かんできます。
しかし、ある時ふと思ったのです。
この「無理」という一言の中には、もしかしたら、もっと細かい正体が隠れているのではないか。
それを一緒に分解してみたら、これまで届かなかった方にも、何か届くものがあるのではないか。
今回は、そんな問いから始まる記事です。
元請を目指していたある建設業の社長さんが、最初は「うちには無理」と言いながらも、ある瞬間を境に大きく変わりました。
その変化を起こしたのは、奇跡でも魔法でもなく、ある具体的な「壁の超え方」です。
ここから一緒に、その壁の正体と、超えるためのヒントを見ていきましょう。
今回は、有料パートでけっこう本音をさらけ出しました。
目次
「うちには無理」と言う経営者は、本当に動けないのか
元請を目指した建設業の社長が変わった瞬間
「自社にはできない」の正体は4つの壁
一番手強いのは「見たことがない・経験したことがない」
【壁の超え方 1】「知らない・調べていない」を超える
【壁の超え方 2】「見たことがない・経験がない」を超える
変わらなかった経営者の話
編集者として、私が「強く言い切れない」理由
押し付けず、隣に立つ。一歩を待つということ
ご自身の壁を点検するための5つの問い
まとめ:動くタイミングは、人によって違っていい
「うちには無理」と言う経営者は、本当に動けないのか
正直にお話しすると、私自身、これまで「うちには無理」という言葉を、お話の中で何度も受け取ってきました。
そのたびに、「いえいえ、必ずできますよ」と言葉を返す日々。
しかし、心の中では冒頭で書いたように「やる気のない人にいくら言ってもダメだろう」という気持ちを少なからず抱えてしまいます。
こういう時には信じ切れていない罪悪感もあるのでしょう、モヤモヤします。
「できます」という言葉をかけて動き出す方もいらっしゃれば、動かないままの方もいらっしゃいます。
その中で、支援の現場で見えてきたことがあります。
「うちには無理」と言う方は、決して怠けているわけでも、頭が固いわけでもありません。
むしろ、誠実に状況を見つめた結果として、その言葉が出ているように感じることがありました。
「無理」の中身は、よく見ると理由は一つではありません。
複数の感覚が重なり合って、「無理」という一言に集約されています。
それを一つずつ分解できれば、超えられるかどうかの見え方も変わってきます。
元請を目指した建設業の社長が変わった瞬間
ある建設業の社長さんのお話です。
その会社は、長く大手やゼネコンの下請けとして仕事を受けていました。
孫請けやもっと複雑に絡む受注もよくあるとのこと。
社長さんご自身は、本当はもっと自社で直接受注がしたい、元請として仕事を取りたいというお気持ちを持っていらっしゃいました。
ただ、現実にはその土台がありませんでした。
ホームページもあまり確立されておらず、会社自体がオンラインで発見されにくい状態だったのです。
口コミや人づてに仕事が舞い込むため、どうしても下請けの構造から抜けられずにいました。
元請になるためには、オンラインから直接お問い合わせをいただける動線を作る必要があります。
ネット上でしっかりした会社のイメージを持ってもらうと、信頼した人からの連絡がくるようになり、自然と直接受注が増えます。
私はそのことを丁寧にお伝えしました。
社長さんの反応は、こんな感じでした。
「分かってはいるんです。でも、本当にできるのかどうか、現実感がないですね」
「うちにはまだまだ無理なのではないか」
ここで立ち止まる経営者は本当に多いのです。
ところが、リニューアルの作業が進むにつれて、社長さんの態度が少しずつ変わっていきました。
ホームページが形になってくる様子を、ご自身の目で見ていく中で、何かが切り替わったようでした。
途中からは、社長さんご自身が私たちに対して「こういう切り口も入れたい」「ここはこう書きたい」と提案を出してくださるようになったのです。
そして、私たちが知らなかったその会社の強みや特徴が、社長さんご自身の言葉で次々と浮かび上がってきました。
最終的に、そのホームページは社長さんの想いと、会社の本当の良さがしっかり伝わるものに仕上がっていきました。
この変化は、私にとっても印象的なものでした。
「うちには無理」と言っていた社長さんが、変わったのは、何によってだったのか。
そのことを考えるうちに壁が見えてきました。
「自社にはできない」の正体は4つの壁
私が現場で観察してきた限り、「うちには無理」「自社にはできない」という言葉の中には、4つの壁が重なって入っているように見えます。
知らない(そもそも情報に触れていない)
調べていない(触れる機会はあったが、自分で深く調べてはいない)
見たことがない(成功している姿や、進んでいる途中を直接見ていない)
経験したことがない(自分自身でやってみた感覚がない)
「うちには無理」と一言で表される状態は、実はこの4つのどれか、あるいは複数が重なっています。
だから、一括りに「無理」と言ってしまうと、どこから手をつけていいかも見えなくなってしまいます。
逆に、4つに分けてみると「あ、自分は2つ目までは超えているけど、3つ目で止まっている」のような自己理解が生まれます。
それだけで、次の一歩を踏み出すための糸口が見えてきます。
一番手強いのは「見たことがない・経験したことがない」
4つの壁の中で、私の感覚として、一番なんとかなりやすいのは「調べていない」です。
今の時代、調べたら大抵のことは出てきます。
まず検索しますし、本やニュースレター、信頼できるSNSアカウントから知識として取り込むこと自体は、それほど難しくありません。
一方で、一番手強いのが「見たことがない」「経験したことがない」の壁です。
この壁の中にいる方は、「考えもつかない」「想像もできない」というフェーズにいらっしゃいます。
だから、頭で理解しようとしても、知らないので心がついていきません。
そして、ここが大事なのですが、想像もつかないものに対しては、人は不安や恐怖を抱きがちです。
SNSが怖いものに感じる方が多いのも、ご自身が日常的にSNSを使っていないからだと思います。
触れていないものに対する恐怖は、誰にとっても自然な反応なのです。
建設業の社長さんがリニューアル途中で変わったのは、まさにこの壁を超えた瞬間でした。
頭での説明だけでは届かなかったものが、実際に出来上がってくる様子を「見たこと」「触れたこと」によって、初めて社長さんの中で現実になったのです。
ここから先は、サポートメンバー向けの内容です。
4つの壁を、それぞれどう超えていけばいいのか。
そして、変わらなかった経営者の話と、編集者として私が「強く言い切れない」その理由について、お話していきます。